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仕組債の販売トラブルが増えているとのことで、2024年に向けて金融庁が販売規制に動くという報道が目立つようになってきました。
直近では2022年後半あたりからでしょうか。その時期私は税理士事務所に勤めていましたが、何社か仕組債を購入する関与先がありました。過去の経緯を知っている身としては「あっぶないな~」と思いつつも見ているほかはありませんでしたが、やっぱり問題化したなというのが今の本音です。
初めに断っておきますが、私は「仕組債は素人が手を出すものではない」と考えています。
なぜなら仕組債とは本来、機関投資家向けの高度に専門的な商品(デリバティブ商品)の一種だからです。販売業者の営業マンを捕まえて詳しく話を聞いてみてください。9割方は抽象的な商品説明しかできないはずです。そして、その説明で納得できてしまうあなたは素人です。
私の知っている限りではありますが、仕組債に対する考え方についてご紹介します。
仕組債について販売サイド・購入サイドのとらえ方、販売規制に対する私見をご紹介します。
仕組債とは、金融派生商品(デリバティブ商品)の一種で債券の形態をとっていますがその中身は「債券+オプション」です。
金融用語ばかりですみません。もう少しわかりやすくしますと・・・例えばノックイン/ノックアウト型他社株連動債と呼ばれる種類の仕組債についてご説明します。
発行体:A 販売者:B 対象となる株式:C とします。この場合の商品の条件は例えば「満期3年、年利8%、対象となる株式C、ノックイン価額2,000円、ノックアウト価額3,000円、額面1,000万円」とします。
具体的には
「C株が3年の間に3,000円にならない限り、年利8%で利息をお支払いします。
ただし3年の間に3,000円になったら、その時点で満期になって1,000万円お返しします。
3年の間3,000円にならずに一度でも2,000円以下になったら、3年後の満期の時には元本が変動して1,000万円かそれ以下の金額でお返しする可能性があります。
A社が倒産した場合には全くお金が返ってこないこともあり得ます。」
となります。
商品名について説明すると「3000円になったら~」がノックアウト条項もしくは早期償還条項、「2,000円以下になったら~」がノックイン条項、発行体AではないC株に連動するので「他社株連動債」と呼ばれます。
メリットは ①8%という高金利 ②C株が3000円になればその時点で元本1000万円+利息が戻る
デメリットは ①元本割れの可能性がある ②C株が3,000円になったら、それ以降は高金利がもらえなくなる ③途中換金は不可か大幅に元本割れする ④発行体であるA社が倒産したら元本は戻らない可能性がある
一般に仕組債の販売手数料は、債券の販売手数料としては高いものが多いです。私が証券会社に所属していた時点で販売手数料が大体4%程度。お客様に提示する年利の半分くらいは販売者に落ちる手数料だと考えていいかもしれません。発行体においてはおそらく同等か、それ以上の率の手数料が落ちていると思われます。(かつて私が所属した証券会社では、販売者に落ちる手数料は約半分でした)
さらに、上記の例でいうと「3,000円になったら~」です。
ノックアウトして早期償還すれば、同じ資金で次の同様の商品を販売できるという側面があります。そこでまた手数料収入が見込めます
こういった具合に販売サイドから見た時に、魅力的な商品となっています。
つまり、営業マンのプッシュは強くなる傾向があります。
購入サイドからは上でも書きましたが、メリットとしては高金利が得られて且つ、早期に資金が回収できる可能性があります。デメリットとしては元本割れの可能性、早期償還による運用機会の中断の可能性、流動性の低さです。
時々、仕組債は商品の組成から購入者にとって割が悪いと言っているサイトなども見かけますが、それは違うでしょう。個人でそういった高金利を生み出すような金融技術を持ち合わせていないなら、仕方のないことだと思います。
ただ、仕組債を勧誘されたときに十分な金融知識を持っていれば、同じ状況下で違う商品を検討することができるはずです。上の例でいえばC株が上がると思っているなら株を買えば良い、上りも下がりもしないと考えるならば別の銘柄を検討しても良いし、他の商品を検討しても良いのです。
絶対に忘れないでおいていただきたいのは、
元本割れを起こす可能性がある商品だということ。
元本割れを起こした時には、同じ商品で数年分の運用益が吹き飛ぶ値下がりになる可能性が高いこと。
この2点です。
この商品に関して言えば、簡単です。
ノックインした仕組債が満期になった。3割4割値下がりしている。そんなことになってしまうとは聞いていない。
こういう話です。説明されたかもしれませんし、説明されなかったのかもしれない。単に忘れてしまったか、聞きそびれただけかもしれない。販売者は確認書をいただいているといいますが、確認書にも法的な意味合いはさほどない。
販売者の思考はこんなものでしょう。
手数料率も回転率もいいので販売したい。相場の下落局面では一定の割合でトラブルが発生するのもわかっている。富裕層にしか販売できないように一口を1,000万円に引き上げたんだし、配慮していますよ。ちゃんとお客さんを選んで販売してね、現場の人・・・
今だに個人向けに販売しているのだから、こんな風に考えていると思って良いのではないでしょうか。
私見としては「個人は仕組債に手を出さない」
これが結論です。もしくは
「撤退時期を最初に決めて利用する」
例えば「日経平均が年初来高値を付けたら、次の満期以降は継続して購入しない」などと決めておくことです。最初に購入を決める際に担当者と話し合って決めてしまうことです。
途中で売却することが不可かあるいは困難な商品ですので投資判断は株より難しいと心得てください。
販売規制をしたところで個人に販売する以上、トラブルはなくなることはありません。個人向けの販売を禁止しない限り、さほどの効果はないものと考えます。
2024/10/2 追記
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
独立系FPとしての立場から、仕組債についての見方をまとめてみました。
もし、金融商品を検討するにあたってのお悩みがありましたら是非お声がけください。
お客様の状況を踏まえて、その商品がリスク過多となっていないかどうかのご相談に乗らせていただきます。
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