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多少順番は前後するのですが、遺産分割協議に入る前にどうしてもやっておかなくてはならないことがあります。
それが「資産と債務」について確定することです。つまり、亡くなった方が何を持っているのかを資産という観点から洗い出してリスト化することです。これができていないことには誰がどの資産(債務)を引き継ぐのかの話が始まりません。
ここではどんな手続きをしてどんな資料を集めていくのかについて、多少具体的にお話をしていきます。エンディングノートなどを作成するにあたって、どのような準備をしておくべきかを考える上での助けになればと思います。
遺産分割協議を具体的で有意義なものにするためにも、
早めに着手してできるだけ少ない手数で終わらせてしまいたい作業になります。
相続が始まってからあれこれと探し物をするのは当然のように思えますが、できることなら亡くなる前にやっておきたいことというのは結構たくさんあります。
内容としては、亡くなってからでは遅いことと亡くなった直後に必要になることに分けられます。
具体的には、遺言書やエンディングノートの有無の確認。通帳や保険証書、権利書や借用書などの書類の保存場所の確認。被相続人(亡くなる方)の相続に対する意向の確認。などなど
といったところでしょうか。
第3回で紹介した遺産分割についてですが、遺産分割が完了した後に遺言書が見つかった場合には遺産分割はやり直しになります。遺言書の内容が遺産分割協議に優先するからで、後から見つけた時に「もう終わったからいいや」などと言って捨ててしまうようなことをすると罰せられます。
やり直しとはいっても再度内容を相続人全員で確認した上で遺産分割協議をそのあとにやり直したとするだけなので実務的には大事にはならないのですが、ここで誰かから異論が出たりすると遺産分割協議は最初からやり直しです。
エンディングノートや通帳などについても事前に保存場所だけでも聞いておくことができれば、探す手間が省けます。
資産や債務の洗出しにおいては、金融機関や役場とのやり取りが必要となります。
手分けをして進めるのも良いのですが、理想は代表者ひとりに手続を集中させることです。必要な書類を把握しやすくなることと、特に戸籍の類などは取得に時間とお金がかかります。各金融機関で同じものが必要になりますが、使いまわしができるため書類の管理が必要です。そのためのスケジュール管理がしやすくなる利点もあります。
基本的には代表者を通じて郵送と電話によるやり取りで手続きは完了させてゆくことができますので、早々に代表者を決めてしまって手続きを集中させておくことをお勧めしています。
税理士や司法書士といった専門家とのやり取りにおいても何人も集まって話し合うことも時には必要ですが、窓口を絞っておいた方が調整がしやすいのではないかと思います。
亡くなる前には施設に入ったり、入院したりといったことになっていると思われます。交通事故などで突然に無くなる方の場合は例外として、大事な準備の一つに「郵便物の保管」があります。
銀行口座や保険の証書は紙媒体が存在しますし、通帳があるのでその存在はわかります。ただ、証券会社は昔のように預かり証が存在しないので最悪の場合には1年に一度くらいしか郵送で連絡が来ません。その際に頼りになるのが
株の配当金や株主総会の開催通知だったりします。あと同窓会の連絡通知、趣味の集まりの会報など、意外なものが被相続人の関係者や資産を突き止める手掛かりになったりします。
一見不要なものに見えても郵便物はすべて保管しておきましょう。
例外的に、Web銀行や証券・保険会社については何らかの痕跡を残しておかないと誰にも見つけてもらえなくなる恐れがあります。
ここでも、エンディングノートの準備が必要となります。
金融機関は亡くなったことを知った直後から口座を凍結します。これは一部の相続人などが勝手に資産を処分したりすることができないようにするためで、不便かもしれませんが仕方のないことです。その際に請求(水道光熱費・カード・新聞・携帯電話・CATVなど)の引き落としができなくなって請求書が届き始めます。
これらは期日までに相続人が立替え払いしてゆくことになりますが、相続税の計算においては「債務控除」の対象となる可能性があります。「債務控除」は相続税の計算において資産から債務をマイナスして計算することで、相続財産の総額を小さくして税金を安くすることができる制度です。
一つ一つの支払いの控えを保存することはもちろん、誰が何を立替えたかを記録しておきましょう。
その他もろもろ、としましたが・・・
相続に関しては思いもかけないことを確認する必要が出てくることがあります。
お金の貸し借りに関することなど、個人で作成した借用書など効力があるのかないのかよくわからないようなものが出てきたり、亡くなる少し前に通帳からお金が出ていて返済なのか贈与なのか支払いなのか区別がつかなかったりなど、様々なケースに直面したものです。
税務署が調査に入るとそういったお金の流れなどもすべてチェックします。上記のケースなどでは相手先まで出向いて直接聞き取り調査をしたようです。通帳などにお金の出所や支払いの目的など、ちょっとしたメモを残しておくことも後から重要な意味を持ってくることがあります。
多少区別がつく程度でもいいので記録を残すことは常々心がけておきたいところです。
2024/4/8
2024/7/4更新
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
今まで何件かの相続(争族)に立ち会ってきた独立系FPとしての目線で、相続が起きた時に困ることについてお話ししました。
相続は一生の間に何度も経験することではありませんが、必ず一度は自分が当事者となる問題でもあります。
その時に愛する家族や周囲の人たちにできるだけ負担をかけずに済ませること。あるいは身内に相続が発生した時に、自分が大変な思いをしないためにも準備をしておいてもらうことも必要でしょう。
相続に際してこんなことを聞いておきたいというものがありましたら、遠慮なくご相談ください。
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